スムストックとは?

vol.03 次の世代にも引き継げるほど
価値のある建物だと伝えたい
スムストック住宅販売士 2010年取得 渡辺 洋三

積和不動産関東株式会社 東関東仲介営業部 マスト京葉仲介営業所(2018年1月現在)
住宅流通の新しいシステムの担い手である「スムストック住宅販売士」の取り組み

2017年6月末現在、「スムストック住宅販売士」は累積5,500名を超え、住宅流通の新しいシステムを普及・発展させる取り組みに日々奔走しています。
一般社団法人「優良ストック住宅推進協議会」が推進するシステム「スムストック」では独自の査定方式(スムストック査定方式)を用いて、協議会共通の基準「住宅履歴」「長期点検メンテナンスプログラム」「耐震性能」を満たした住宅をスムストックとして査定をしています。

入社後3年目の2010 年に「スムストック住宅販売士」の資格を取得し、郊外から市街地まであらゆるエリアのスムストックを査定してきた渡辺さん。

「オーナー様が建てたこだわりの物件だから、スムストックでその価値をより正しく評価したい」

買主様・売主様それぞれの思いを直接耳にしてきたからこそ分かる、スムストックの魅力についてお話をいただきました。

知らない人にこそ、伝えたいことはシンプルに分かりやすく

2010年に「スムストック住宅販売士」の資格を取得してから、これまでに営業所のある市街地はもちろん、郊外の大きな分譲地まであらゆるエリアに足を運び物件の査定をしました。

私が担当してきた中で、スムストックについてはじめから詳しく理解しているお客様はあまりいらっしゃらなかったため、「スムストックとは?」「なぜ既存住宅でも安心なのか?」「築20年が経っているのになぜこの金額なのか?」といったところから説明をするようにしています。

私の場合はまず「ハウスメーカーの建物なのでしっかりしている」ということをシンプルに分かりやすく伝えるところからはじめています。日本の住宅の平均寿命は約32年(※国土交通省 平成26年度版「住宅経済データ集」より)と言われていて、たとえ新築を買ったとしてもおおよそ30年後に取り壊さなくてはならないとすれば、メンテナンスをきちんとしていれば構造駆体が50年はもつスムストックを買ったほうが安心ですよと。

また、35年の住宅ローンを組んでも一般的な住宅の場合は築20年で建物の資産価値がゼロになってしまう矛盾にも触れ、そういった建物でも良いのですかと率直にお聞きすると、しっかりとしたハウスメーカーが手がけた、品質の良い住宅にお金をかけたほうがお得ということが伝わり、スムストックの魅力についておおよそのご理解をいただけます。

実際にマイホーム探しをされているお客様に築年数が少し経ったスムストックの建物をご覧いただくと「想像していたよりもずっと良いですね!」というご感想をいただくことが多く、抱いていた印象も大きく変わるようです。同じ築年数の一般的な住宅とスムストックを見比べてみるとその差は一目瞭然で、見た目の印象だけでもはるかに違うと思います。

また、既存住宅でありながらアフターサポート体制があり、メンテナンスやリフォームなどの履歴があるのもスムストックの大きな魅力ですので、安心して住み続けられるその理由もきちんとお伝えしています。もし購入した後に不具合が起こった場合でも、ハウスメーカーのアフター窓口に相談することができ、どこに頼んだらよいか分からない、ということもなく、すべてお任せできるので安心です。

購入をご検討いただいているお客様のなかには「新築の建売を買うよりも、構造がしっかりとしたハウスメーカーの中古を買いたい」「ハウスメーカーの新築は予算的に手が届かないから、同じハウスメーカーの中古にしたい」といったはっきりとした考えをお持ちの方もいらっしゃり、スムストックという住宅流通の新しいシステムが認知されてきているのを実感しています。

価値がある優良な住宅を次の世代にも引き継ぎたい

「スムストック住宅販売士」として購入を検討されているお客様に建物をご案内するときに大切にしていることは、「大事に住まわれていた建物」ということをお伝えすることです。

リフォームやメンテナンスなどの住宅履歴が残っているのはもちろん、査定時に気がついたオーナー様のこだわりや思いの部分もしっかり伝えるようにしています。

お客様をご案内するとき、既にオーナー様が退去し居住されていない場合も多いのですが、案内予定日時をオーナー様にお伝えすると「同席しましょうか?」と、みずから名乗り出てくださることも少なくありません。営業の私だけよりも実際にお住まいだったオーナー様の顔が見えるほうが、購入を検討されているお客様の安心にもつながりますので、その際はいつもふたつ返事で「ご同席をお願いします」とお答えしています。
スムストックはオーナー様のこだわりや思いがつまった建物だからこそ、それを伝えたいという気持ちが自然とはたらくのでしょうね。

ときには、売主様と買主様が内覧のときから意気投合して、その後の契約、決済のときまで連れ添って、楽しそうに雑談で盛り上がっていたこともありました。お引き渡しの手続きが終わった後も雑談は続き、そこからさらに「喫茶店でも行きましょうか・・・」みたいなこともありました。

これは余談ですが、売主様からメッセージとしてよくお聞きするのは「買ったとき高かったのよ」と。「購入される方には、それだけは伝えておいてね」と(笑)。

査定をするうえでもオーナー様がこだわったところを丁寧に聞き取るようにしています。間取りを見て気がつくこともありますが、いずれの建物もこだわりがたくさん詰まった注文住宅ばかりなので、間取りを見ては新築時のエピソードのイメージを膨らませて査定に生かしています。

以前、3階建ての3世帯住宅で各階にLDKがあるような大きな物件を取り扱ったことがあったのですが、周辺の新築相場とくらべても2倍以上の予算が必要となり、またその周辺エリアでは3世帯住宅という事例は多くなく、少し特殊な物件であったため、内心難しい取引になるかなと思っていたのですが、「今は2世帯だけど将来的に3世帯で住む可能性があるので、なるべく長く住むことができる建物を探している」というお客様が見つかり無事ご成約となりました。
長く住み続けられる建物であるということを評価してくださる、同じようなニーズで物件を探している方がいるのだということを実感し、スムストックの価値を再認識するきっかけとなりました。

一般的に築20年で建物の資産価値がゼロになると思い込んでいる方がほとんどなので、スムストックのことを知らずに築20年くらいで、まだ十分使える建物を取り壊してしまうケースもありますが、オーナー様はもちろん、実は担当したハウスメーカーの営業も悲しい気持ちになります。自分が担当した物件はいつまでも長く住み続けて欲しいと、ハウスメーカーの担当者は皆そう思っているのではないでしょうか。

実際にスムストックをご購入いただいたお客様から「売りたいんだけど…」とご相談の連絡をいただいたときは嬉しかったですし、取り壊すという選択肢ではなくスムストックを選んでいただいたことに感謝しています。

先程の3階建ての物件については私個人の思い入れも強く、近くに行ったときは立ち寄るようにしています。その家の新しいオーナー様になった買主様に「リフォームしたら見せてくださいね!」ともお願いしており、今も良好な関係が続いています。

スムストックは構造がしっかりしているので、リフォームすれば新築同然の仕上がりになりますし、たとえリフォームに多少お金がかかったとしても、次の世代に引き継げる、長く住み続けられる、お金をかけるだけの価値がある物件だということを伝えたいですね。

私も以前は自分がマイホームを購入するのであれば、断然新築が良いと思っていましたが、「スムストック住宅販売士」になり、多くのスムストックに携わってきたことで価値観が大きく変わりました。今買うのであれば、スムストックは魅力的な選択肢だと感じています。
これからマイホームをお考えになる方や、住みたい地域に住むとなると予算が折り合わずハウスメーカーでの新築をあきらめてきた方など、ぜひ一度スムストックを検討してもらえれば嬉しいなと思っています。

BACK NUMBER