人生で最も高額の買い物は家
の購入だといわれる。
売買仲介の仕事は、顧客の大
切な財産を預かるだけに売主、
買主双方に対する責任が伴う。
石黒は日々、その責任の重さを
感じながら顧客対応を続けてい
る。「買主さまへの引き渡しを
無事終え、売主さまから『石黒
さんにはお世話になりました』
と言っていただくことが仕事の
やりがいです」
ミサワホームでは、栃木ミサ
ワホームなど全国の販売会社が
不動産流通部門を担当してい
る。石黒の主な担当エリアは栃
木県、群馬県、茨城県、福島県
の一部だ。顧客から依頼があれ
ば東京にも出向く。
最近はミサワホームに住む
オーナーから売却相談を受ける
ことが増えた。特に、自動車メー
カーの工場が多い栃木県では、
海外転勤に伴って自宅を売却す
るケースがあるという。
「『家を建てたミサワホームに依
頼するのが一番安心できるから』
とオーナーさまに言われること
が何よりうれしいです」 (石黒)
スムストック住宅販売士が建
物の価値を適正に評価するから
こそ、オーナーの信頼にもつな
がっていく。これがスムストッ
クの魅力だ。
不動産事業部 不動産部 次長
兼 開発課 課長 石黒修一
栃木ミサワホーム
パナソニック ホームズ不動産
建てたメーカーに
依頼するのが一番安心
首都圏・関東住宅流通センター
関東チーム 店長 織田星児
家の記憶や歴史を
買主に共有してもらう
おだ・せいじ/2016年、パナソニック ホームズ不動産に中途入社。売買仲介を中心とした住宅流通
部門の営業に携わる。19年10月にスムストック住宅販売士の資格を取得。休日は子どもと遊ぶ。
埼玉県、茨城県、千葉県を主
に担当する。スムストックの物
件では、売主は30代前半で家
を建て、60代になって売却を
考えることが多いという。織田
は売主から売却の相談を受ける
と、まず30年暮らした家の記
憶について話を聞く。リビング
にピアノがあり、子どもが小さ
いころに弾いていた。大きな地
震がきたときでもグラスが割れ
たくらいですんだ。
「そのような話を聞くと、売主
さまの人生の多くは家とともに
あったのだということを実感す
ることができます」
一方、家の購入を検討してい
る買主は 30 歳前後。ちょうど売
主が家を建てたころの年代だ。
織田は、売主、買主双方がリビ
ングのテーブルを囲む場を設定
する。売主は家を建てたころを
思い出し、買主は家の歴史に思
いをはせる。30 年という 時間を
共有する場ともなる。
「売主さまには、ただ家が売れ
ればいいというのではなく、い
い人に買ってもらいたいという
気持ちがあります。買主さまに
は価格や立地だけでなく、建物
の良さを知って、安心して購入
し、家を住み継いでいただきた
いと考えています」
売買仲介のやりがいだという。
いしぐろ・しゅういち/栃木県の不動産会社勤務などを経て、2012年、栃木ミサワホーム入社。15
年にスムストック住宅販売士の資格を取得。趣味はサウナ、登山。会社の登山部に所属している。
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