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リノベーションとリフォームは何が違う?
違いを徹底解説!

目次

    ※2025年3月17日現在の法律に準じた内容です。

    「リノベーション」と「リフォーム」は、どちらも家をきれいにしたり、住みやすくしたりする工事ですが、実は目的や工事の内容が違います。なんとなく聞いたことはあっても、リノベーションとリフォームの違いはそれほど知られていませんので、どちらを選ぶのがいいのか迷っている方も多いのではないでしょうか。

    そこで本記事では、リノベーションとリフォームの違いや特徴、どんな場合にどちらを選ぶとよいかなどを分かりやすく解説します。それぞれのメリットと注意点を知り、自分にぴったりの方法を見つけて、理想の住まいを実現しましょう。

    リノベーションとリフォームの違い

    初めに、リノベーションとリフォームの違いを知るために、それぞれの定義を紹介します。

    リノベーションの定義

    リノベーションとは、建物の性能や使い勝手を向上させ、新たな価値を加えることを目的として行う大規模な改修を指します。単なる修繕ではなく、住む人のライフスタイルに合わせて間取りを変更したり、設備を最新のものにアップグレードしたりするのが特徴です。例えば、昔ながらのキッチンを開放的な対面式に変えたり、壁を取り払って広々とした空間をつくったりと、住まいをより快適なものへと生まれ変わらせます。

    近年では、省エネ性能を高めたり、耐震性を強化したりする工事も増えており、長く安心して暮らせる住まいづくりとしても注目されています。また、「リノベ」「リノベ済み物件」などの表現も浸透し、新たな住まいの選択肢として「リノベーション」という言葉が定着してきています。

    リフォームの定義

    リフォームとは、古くなった建物や設備を新築時のような状態に戻すことを目的として行う改修を指します。例えば、色あせた壁紙を張り替えたり、傷んだ床を新しくしたり、水回りの設備を交換したりするような工事です。基本的には、経年劣化した部分を修繕し、住まいの機能や見た目を回復させるために行います。

    リノベーションのように大幅に間取りを変更したり、デザインを一新したりというよりは、もともとの構造を生かしながら、不具合のある部分を修繕し、快適な空間を維持する工事です。

    「renovation」とリノベーションは違う?

    このように、日本では一般的に、既存住宅を作り変えて機能や価値を高める改修を「リノベーション」、築年数が経過した既存住宅を新築時の状態に復元する改修を「リフォーム」として使い分けられています。

    なお、英語の「renovation」は、建物の修繕や改修全般を指す言葉で、老朽化した部分の修復から設備の入れ替えまで幅広い意味があります。例えば、日本では古くなったキッチンを最新のものに交換する程度の工事は「リフォーム」と呼ばれますが、英語圏ではこれも「renovation」に含まれます。

    リノベーションのメリット

    ここでは、リノベーションのメリットについて解説します。

    設計を自由に行える

    住む家に合わせるのではなく、暮らしに合わせて家をつくれることが、リノベーションの魅力です。壁を取り払って広々とした空間をつくったり、間取りを変えて生活動線をスムーズにしたりと、自分のライフスタイルに合わせた住まいにカスタマイズできます。

    キッチンの位置を変更して家事がしやすい間取りにしたり、趣味専用のスペースをつくったりすることも可能です。インテリアのテイストも自由に選べるため、北欧風やカフェ風など、自分好みのおしゃれな空間を実現できます。

    このように、新築するよりもコストを抑えながら理想の住まいをつくれることは大きなメリットです。

    建物のインフラ部分も刷新できる

    リノベーションでは、目に見える部分だけでなく、建物の内部までしっかりと手を加えられます。見た目だけでなく、住まいの性能そのものをアップグレードできることが、リノベーションの強みです。例えば、古くなった配管や電気配線を新しくしたり、水回りの設備を最新のものに交換したりと、見えない部分までしっかりとバージョンアップできます。

    通常の修繕では気づきにくい劣化部分も、徹底的に確認して対応できるため、長く快適に住み続けられることもメリットです。また、断熱材を入れたり、耐震補強を行ったりすることで、住み心地や安全性の向上も期待できます。

    資産価値を維持できる

    日本では一般的に、住宅の資産価値は築年数の経過とともに下がっていきますが、リノベーションを行うことで、築年数が経過した住宅でも資産価値を維持しやすくなります。築年数が古くても、設備を新しくしたり、間取りを今の暮らしに合うように変えたりすると、住みやすさがアップして住宅の魅力が高まるためです。

    特に、お風呂やキッチンなどの水回りや、配管・配線といった見えない部分をしっかり整えると、長く快適に暮らせる家になります。リノベーションされた住宅は、機能やデザインが今の時代に合っていて値崩れしにくいでしょう。

    物件の選択肢が広がる

    人気のエリアは新築の物件が少なく、あってもかなり高額ですが、中古住宅まで視野を広げれば、希望の場所で物件を見つけやすくなります。たとえ間取りや内装が理想と違っていても、リノベーションで好きなデザインにつくり変えることで、新築のような快適な空間にすることも可能です。

    また、新築だと手が届かない駅チカや便利なエリアの物件も、中古なら選びやすくなります。新築では予算オーバーの場所でも、リノベーションをうまく活用すれば、理想の住まいが見つかるかもしれません。

    段階的にリノベーションすることもできる

    新築の場合、一気に完成させるのが普通ですが、リノベーションならライフスタイルや予算に合わせて段階的に進められます。一度に全部行う必要がないため、例えば、最初は1階だけリノベーションして、暮らしながら少しずつ理想の家に近づけることも可能です。

    まずは、キッチンやリビングを快適にして、後から寝室や水回りをリノベーションするのもよいでしょう。計画的に進めれば、資金繰りもしやすくなります。このように、自分のペースで家づくりを楽しめることは、リノベーションならではの魅力です。

    リフォームのメリット

    次に、リフォームのメリットも確認しましょう。

    工事費用が安価

    リフォームは、リノベーションのように大掛かりな間取り変更をせず、傷んだ部分を修繕したり、設備を新しくしたりするだけであり、コストが比較的安価です。例えば、壁紙や床の張り替え、キッチンやお風呂の設備交換など、必要な部分だけをリフォームすることで、費用を抑えながら快適な住まいにアップデートできます。

    また、住みながら対応できるケースが多いこともメリットの一つです。限られた予算で手軽に家をきれいにしたいという方にとって、リフォームはコストパフォーマンスのよい選択肢といえます。

    短期間で工事が完了する

    リフォームは、壁紙や床の張り替え、キッチンや浴室の設備交換など、部分的な工事を中心に行うため、短期間で工事が完了します。内容によっては半日や数日で終わるケースもあり、大きな生活への影響もないでしょう。

    また、新しく家を購入してリフォームする場合、工事がスムーズに終わることで早く引越しできることもメリットです。賃貸からの住み替えなら、家賃とローンの支払いが重なる期間を短縮でき、経済的にも助かります。

    完成後のイメージがしやすい

    リフォームでは、元の間取りを大きく変えずに部分的に改修を行うため、工事後の仕上がりが想像しやすくなります。大幅なレイアウト変更がなく、生活動線もほとんど変わらないことで、これまでの暮らし方をそのまま続けられることもポイントです。

    また、築浅の物件なら、見た目や設備を新しくすることで、より快適な空間にアップデートできます。今の間取りのまま快適に暮らしたいという方も、リフォームなら安心して取り組めるでしょう。

    補助金を活用できるケースがある

    リノベーションでもリフォームでも、工事の内容によっては補助金を利用できるケースがあるのはうれしいポイントです。補助金なので返済する必要はなく、費用の負担を抑えることができます。

    例えば、省エネ性能を高める断熱改修や、バリアフリー対応の工事、耐震補強などは、費用の一部が国や自治体から支給される場合があります。工事内容によっては意外と大きな金額が補助されることもあり、活用できる補助金制度がないか調べてみることをおすすめします。

    リノベーションの注意点

    リノベーションは工事が大規模になるため、物件探しから始める場合には完成まで数カ月かかることがあります。また、築年数が古い物件では、予定していなかった耐震補強や配管交換が必要になることがあり、追加費用が発生するケースもあります。そのため、少し余裕を持ったスケジュールや資金計画を立てることが大切です。

    なお、建物構造によっては室内の壁を取り払う間取り変更ができないなどの制限がある場合や、住宅ローン減税が受けられないケースもあるため、事前に条件を確認しておきましょう。

    リフォームの注意点

    リフォームでは、基本的に今の間取りを生かしながら改修するため、部屋の配置を大きく変えたりするのは難しい場合があります。また、部分的なリフォームをすると、リフォームしていない部分と仕上がりに違和感があるかもしれません。そのため、全体のバランスを考えてリフォームを計画することが大切です。

    なお、リフォームは目に見える部分の工事が中心であり、家の柱や配管など建物内部の老朽化には気づきにくいこともあります。築年数が経っている家なら、事前に専門家にチェックしてもらうと安心です。

    リノベーションの種類

    最後に、代表的なリノベーションの種類を紹介します。

    フルリノベーション

    フルリノベーションとは、住居スペース全体をつくり直すリノベーションのことです。壁や床、水回りなどをすべて新しくし、間取りも自由に変えられるため、新築のような住まいに生まれ変わります。

    フルリノベーションには、大きく分けて「オーダーメイド型」と「パッケージ型」があります。オーダーメイド型は、間取りやデザイン、設備を自由に選んで自分好みの家づくりができることが魅力です。

    一方、パッケージ型は、あらかじめ決められたプランから選ぶタイプで、費用を抑えつつ手軽にリノベーションできることが特徴です。

    スケルトンリノベーション

    スケルトンリノベーションとは、家の骨組みだけを残して、壁や床をすべて解体し、新しくつくり変えるリノベーションのことです。まるごとリセットして間取りを変え、自分の理想にぴったり合った住まいにできます。キッチンやお風呂の位置を変えたり、収納を増やしたりと、自由度が高いことが特徴です。

    また、戸建ての場合は内装だけでなく外壁を一新することもできます。大掛かりな工事になるため費用は少し高めになりますが、新築ほどのコストはかけたくないが住みやすさやデザインにしっかりこだわりたい場合におすすめの方法です。

    コンバージョン

    コンバージョンとは、建物の用途を大きく変えるリノベーションのことです。例えば、自宅の一部をカフェやショップにしたり、オフィスや倉庫だった建物を住居に変えたりするケースがこれに当たります。コンバージョンは、内装や間取りの変更に焦点を当てるのではなく、建物の使い方そのものを変えることが特徴です。

    住宅の一部を賃貸スペースや事務所にするなど、新たな活用方法を取り入れることで、収益を生む空間へと変えることもできます。また、既存の建物を生かしながら新しい用途に利用することは、解体費用を抑えられるだけでなく、環境にもやさしいリノベーションの方法です。

    まとめ

    リノベーションとリフォームのどちらが適しているかは、住まいに求めるものや住宅の状態などによって変わってきます。例えば、住まいをまるごと変えたいならリノベーション、傷んだ部分を直してきれいにしたいならリフォームが向いています。このようにライフスタイルや家の状態、予算などに合わせて、最適な方法を選ぶことが大切です。リノベーションとリフォームのそれぞれの特徴やメリットを理解し、理想の住まいを実現しましょう。

    この記事を書いた人

    スムストック編集部
    スムストック編集部
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