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平屋と2階建ての住宅はどちらがおすすめ?
それぞれの特徴を紹介

目次

    ※2025年3月31日現在の法律に準じた内容です。

    家を建てるとき、平屋と2階建てのどちらがいいのか悩む方も多いのではないでしょうか。平屋と2階建ては、それぞれに魅力があり、ライフスタイルや家族構成、土地の条件などによって向き不向きが変わってきます。そのため、ワンフロアで動線が短くて暮らしやすい平屋とコンパクトな土地でも居住スペースを確保しやすい2階建て、それぞれのメリットや注意点を理解することが大切です。

    本記事では、平屋と2階建てについて、特徴やメリットのほか、気になる毎年の税金も比較し、どんな人に向いているのかを分かりやすく解説します。平屋か2階建てか決める際のポイントも紹介しているのでぜひ参考にしてください。

    平屋の特徴

    平屋は、シンプルな構造と暮らしやすさが魅力の住まいです。ここでは、平屋ならではの特徴やメリットを紹介します。

    家族とのコミュニケーションが深まる

    平屋の魅力の一つは、家族の距離が自然と近くなることです。ワンフロアにすべての部屋がまとまっているため、お互いの気配を感じやすく、リビングを通るたびにちょっとした会話が生まれやすくなります。

    例えば、子どもが勉強している横で親が料理をしながら声をかけたり、ふとした瞬間に家族が顔を合わせて会話が弾んだりすることもあるでしょう。家族みんなが同じ空間で過ごすことで、気軽なやりとりが日常になり、忙しい日々の中でも自然とコミュニケーションの機会が増えるのが平屋の特徴です。

    家事がしやすい

    平屋は、家の中の移動がとてもスムーズで、家事の負担を軽減しやすいことが特徴です。階段による上下の移動がなく、掃除機をかける際も部屋から部屋へサッと移動でき、洗濯物も楽に干せます。重たい洗濯カゴを持って階段を上り下りする必要がなく、ベランダや物干しスペースへの動線もスムーズです。

    また、キッチンやリビング、洗面所などの生活スペースがワンフロアにまとまっているため、料理をしながら洗濯機を回したり掃除をしたりと、効率よく家事をこなせます。シンプルな動線のおかげで家全体を見渡しやすく、毎日の家事が快適になるでしょう。

    生活動線が短くなる

    どの部屋に行くにも移動がスムーズで、無駄な動きを減らせることも平屋の特徴です。例えば、朝起きてすぐにリビングへ行ったり、お風呂の後に寝室でくつろいだりと、日常の動きが自然と効率的になります。玄関からリビング、寝室までの距離が短く、ちょっとした外出や就寝前の準備もスムーズに行えるでしょう。

    また、階段がないため転落や転倒の危険性が低く、バリアフリーにも対応しやすいので、小さな子どもや高齢者がいる家庭でも安心して暮らせることも魅力です。生活動線がシンプルになることで、動きやすい快適な住まいを実現できます。

    階段のスペースが不要

    平屋は階段がない分、空間を無駄なく使えることも特徴です。2階建てや3階建ての家は、階段が意外と大きなスペースを占めます。1フロアあたり1.5畳以上が必要になり、35坪ほどの住宅なら全体の約6%~8%ほどのスペースが階段に使われるのが一般的です。

    その点、平屋なら階段のためのスペースを考える必要がなく、リビングを広くしたり、大容量の収納を確保したりと、自由な間取りを実現しやすくなります。限られた面積をフルに活かして、広々とした快適な暮らしを実現できることも、平屋ならではの魅力です。

    メンテナンス費用を抑えられる

    平屋には、維持管理のコストを抑えやすいという特徴もあります。2階建て以上の住宅は、外壁や屋根の修繕時に足場を組む必要があり、その費用がかかります。しかし、平屋は建物の高さが低いため、大掛かりな足場を設置せずに済むこともあり、その分のコストを節約できます。

    また、高所作業が減ることでメンテナンス自体が簡単になり、業者に依頼する際の費用も抑えやすくなるでしょう。屋根や外壁のチェックもしやすく、小さな劣化を早めに発見することで、修理費用を最小限にできることもポイントです。さらに、エアコンの室外機や雨どいの掃除なども手が届きやすく、自分で対応できる範囲が広がります。

    一方で、修繕の際には屋根の面積が大きい分費用がかかることがあり、その点では注意が必要です。

    2階建ての特徴

    2階建ての家は、多くの人に選ばれている住まいのスタイルです。ここでは、2階建てならではの特徴を見ていきましょう。

    建築費用を抑えられる

    2階建ての家は、同じ延床面積で比べると平屋よりも建築費用を抑えやすい傾向があります。建築費は基礎工事と屋根工事が大きな割合を占めますが、2階建ては、コンパクトな土地に効率よく空間を確保でき、基礎工事や屋根の面積が少なく済むからです。

    平屋は、広い敷地が必要になる上に基礎や屋根を広くつくる必要があり、どうしてもコストがかさみがちです。しかし、2階建てなら限られた土地でも十分な住空間を確保でき、建築資材の使用量も比較的抑えられるため、コストパフォーマンスがよくなります。また、屋根の面積が小さくなることで、屋根材や防水工事の費用を削減しやすいこともメリットです。

    プライバシーを確保しやすい

    2階建ての家は、プライバシーを守りやすいことも特徴です。特に2階部分は、周囲の視線が届きにくく、カーテンを開けていても外からの目線を気にする必要が少なくなります。寝室や書斎を2階に配置すれば、リラックスした時間を確保しやすく、落ち着いた環境で過ごせるでしょう。

    また、階が分かれていることで家族のプライベート空間をつくりやすく、生活リズムが違う家族でも快適に暮らせることもポイントです。

    間取りのバリエーションが広がる

    2階建ての家は、空間をうまく分けられるため、間取りの自由度が広がります。例えば、1階にリビングやダイニングを配置して、家族が集まりやすい空間をつくり、2階には寝室や子ども部屋、書斎を置くことで、それぞれが落ち着いて過ごせるスペースを確保することが可能です。このように生活の場をフロアごとに分けることで、メリハリのある暮らしがしやすくなります。

    また、収納の工夫もしやすく、階段下を活用した収納スペースや、2階の一角に納戸などを設けることで、すっきりと片付く家をつくれることも2階建ての魅力です。

    二世帯での暮らしにも向いている

    二世帯で暮らすのにぴったりの間取りをつくりやすいことも、2階建ての家の特徴です。1階と2階で生活空間を分けることで、ほどよい距離感を持って暮らしたいときには適した間取りが作りやすくなります。

    例えば、1階を親世帯の住空間にし、2階を子世帯のスペースにすることで、お互いの生活リズムの違いを気にせずに過ごすことが可能です。また、キッチンや浴室をそれぞれのフロアに設置すれば、より独立した暮らしになり、プライバシーもしっかり確保できます。

    税金に関する比較

    家を建てる際は、税金の負担も考えておきたいポイントの一つです。所有する土地や建物には、それぞれ評価額に基づいて毎年固定資産税がかかります。土地は売買の目安となる公示価格の70%水準、建物は基本的に建築費の60%水準で評価され、土地の広さや建物の構造などによって評価額が変わるため、平屋と2階建てでは違いがあります。

    土地の固定資産税

    同じ延床面積の家を建てる場合、平屋と2階建てでは税金に違いが出ることがあります。

    平屋は、ワンフロアで広い面積が必要になり、土地の広さもそれに応じて大きくなることが多いです。その結果、土地の評価額が高くなり、固定資産税の負担が増えるのが一般的です。一方、2階建てなら敷地をコンパクトに抑えられるので、その分固定資産税の負担も軽減できる可能性があります。

    ただし、土地の価格はエリアによって異なるため、必ずしも平屋のほうが税金が高くなるとは限りません。例えば、都市部の狭い土地と郊外の広い土地では、たとえ面積が2倍違っても、都市部のほうが評価額が高くなることもあります。住むエリアや土地の価格を考慮して、トータルでのコストを比較することが大切です。

    建物の固定資産税

    平屋は、同じ延床面積の2階建てと比べると、資産価値が高く評価されることがあります。

    平屋では屋根や基礎部分の面積が大きくなるため、一般的には使用する建材の量も多くなります。その結果、建築コストが高くなり、その分固定資産税の評価額も上がる傾向があるからです。また、平屋は希少性があるケースが多く、中古市場でも需要が安定しており、売却時に価値が落ちにくいという側面もあるでしょう。

    ただし、固定資産税は建物の構造や使用する建材の材質などによって変わります。また、時間の経過とともに減価償却され、長く住むほど税負担は軽くなるため、長期的なコストを考えながら、自分に合った住まいを選ぶことが大切です。

    平屋と2階建てを決める際のポイントとは?

    暮らしやすさやコスト、将来のことまで考えると、平屋にするか2階建てにするか、どちらがよいか迷うものです。ここでは、住まいを選ぶ際に押さえておきたいポイントを紹介します。

    予算

    平屋と2階建てでは、土地の取得や建物の建築・維持管理にかかる費用の構成が異なります。

    平屋の場合、同じ延床面積を確保しようとすると広い土地が必要になり、その分土地代が高くなりがちです。また、基礎工事や屋根の面積が大きくなることも多く、その結果、建築費用が割高になるケースもあります。

    一方、2階建ては坪単価自体は抑えられることが多いものの、階段や耐震対策などが必要になり、工事の総額が上がることもあるでしょう。特に注文住宅の場合は、間取りや設備によって大きく費用が変わるため、しっかりとした資金計画を立てることが大切です。

    理想の住まいを実現するには、施工後のメンテナンス費用まで考慮して、トータルの費用を割り出す必要があります。

    生活動線

    生活動線は、暮らしやすさを左右する大切なポイントです。

    平屋は、すべての部屋や水回りがワンフロアにまとまっていて、シンプルな動線をつくりやすく、家の中をスムーズに移動できるという特徴があります。特に、洗濯・掃除・料理などの家事も効率よくこなせるため、日々の負担を減らすことが可能です。重い荷物を持って階段を上り下りする必要もなく、小さな子どもやお年寄りも安心して過ごせるでしょう。

    一方、2階建てはプライベートな空間を確保しやすいことがメリットですが、階段の上り下りが必要であり、年齢を重ねると負担になることがあるかもしれません。

    どちらを選ぶにしても、住む人のライフスタイルに合わせて、無駄のない動線を考えておくことが、快適な住まいづくりにつながります。

    家族構成

    家族構成によって、暮らしやすい住まいの形は変わります。

    平屋はすべての部屋がワンフロアにまとまっているため、家族が自然と顔を合わせる機会が多くなり、コミュニケーションがとりやすいことが特徴です。また、階段がなく、小さな子どもやお年寄りも安心して過ごせる住まいになります。

    一方、2階建てはフロアを分けることで、家族それぞれのプライベート空間を確保しやすいことがメリットです。特に、二世帯で暮らす場合は、1階と2階で世帯ごとに住み分けることで、お互いに適度な距離を保ちながら快適に暮らせます。また、子どもが成長して個室が必要になる際にも、2階建てなら部屋を確保しやすいでしょう。

    長く住み続ける場合は、ライフスタイルの変化も考慮して、どちらの住まいが合っているかを考えることが大切です。

    土地の広さ

    家を建てる際は、必要な広さの土地を確保することが不可欠です。

    すべての部屋をワンフロアに配置する平屋は、同じ広さの2階建てと比べて、より広い土地が必要になります。例えば、延床面積が同じなら、平屋は単純に2倍の土地を確保しなければならず、特に都市部では土地代がネックになることもあるでしょう。

    一方、2階建ては限られた敷地でも縦に空間を活用でき、比較的コンパクトな土地でも十分な居住スペースを確保しやすいメリットがあります。

    ただし、建てられる建物の大きさは、建築基準法や都市計画法で定められた建ぺい率や容積率等のその建築法規で決まる為、希望するエリアでどのような家が建てられるのかを事前に確認することが大切です。

    土地の広さとコストのバランスを考えながら、最適な住まいを選びましょう。

    まとめ

    家族みんなが顔を合わせやすい平屋も、プライバシーを確保しやすい2階建ても、それぞれによさがあり、どちらがよいかは暮らし方次第です。したがって、住む場所や将来のことも考えながら、どんな家が自分に合っているのかじっくり検討することが大切です。

    理想の暮らしを叶えるために、平屋と2階建てのそれぞれのメリットと注意点をしっかり押さえ、理想の暮らしを実現できる住まいを選びましょう。

    この記事を書いた人

    スムストック編集部
    スムストック編集部
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