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家を売るタイミングとは?
ライフスタイル等の変化での不動産売却について紹介

目次

    ※2025年9月4日現在の法律に準じた内容です。

    家は人生の中でも最も大きな買い物の一つであり、売却時には大きな金額が動くため、慎重に進めたいものです。家を売るにはさまざまなポイントがありますが、タイミングも重要な要素です。

    今回は、家を売りたいと考えている方に向けて、家を売るタイミングについて解説します。

    家を売るきっかけにはどんなものがある?

    まずは家を売るきっかけとして多いものを、具体的に解説します。

    ライフプランの変化

    <子どもの独立>

    子どもが独立するタイミングでも家の売却が増えます。老後のことを考えて、夫婦にとって暮らしやすい環境を求めたり、住宅の大きさを見直したりする機会になるからです。

    広い家は掃除やメンテナンスに手間がかかるため、子どもが独立したタイミングで小さな家に住み替えることで、負担を軽減できます。また、住宅を売ることでリフォームの必要もなくなります。

    <身体の事情>

    高齢になると階段の上り下りなど単純な運動でも体への負担が大きくなり、引っ越しを検討する人が増えます。また、親が高齢になり介護が必要になると、バリアフリー化した住宅や医療機関へのアクセスが良い土地への引っ越しが増えます。水回りが近い間取りの住宅であれば生活に必要な設備がコンパクトにまとまっており、高齢でも安心して暮らせるでしょう。

    <離婚>

    配偶者と離婚すると、財産分与が発生します。財産分与は夫婦が結婚生活で築いた財産をそれぞれの貢献度に応じて分けるものであり、結婚している間に購入した不動産も対象です。

    家の財産分与については、どちらかがそのまま住み続ける場合もありますが、現金化する場合は家の売却を選ぶことになります。

    <親が亡くなる>

    実家を離れて暮らしている場合、家主である親がいなくなると売却を考える人が多くなります。相続すると管理の手間や税金がかかるだけでなく、放置すると犯罪リスクも高まります。なお、古い家の場合は土地だけで売却されることもあります。

    金銭的な問題

    住宅ローンの返済が難しくなったことをきっかけに、家の売却を検討される方もいます。

    支払いが滞ったままだと、最終的には競売という形で強制的に売却されてしまい、市場価格より安く手放すことになったり、物件情報が公開されたりといったリスクも出てきます。

    そうなる前に、自分の意思で計画的に売却を検討することが大切です。

    住宅ローンが残っていても、売却価格で返済できる「アンダーローン」であれば、基本的に売却が可能です。

    まずは金融機関に相談し、必要に応じて売却も含めた選択肢を早めに考えておくことをおすすめします。

    子どもの独立をきっかけに家を売るメリット

    ここまで述べてきたように、家を売るタイミングにはさまざまなものがありますが、特に多いのが子どもの独立です。ここでは、子どもの独立をきっかけに家を売るメリットを3つ解説します。

    老後の生活を見据えて住まいを選べる

    老後に暮らしやすい家とは、バリアフリーに配慮された住宅です。廊下が広い、手すりが多いなど、将来を見据えた設備が整っていれば、長く安心して住み続けることができます。また、周辺環境を見直すことで、足腰が不自由になった際にも通院や買い物がしやすくなるでしょう。

    また、近年は高齢者を狙った犯罪も増えており、防犯面にも配慮が必要です。最近ではセキュリティ対策が充実した物件も多く見られます。たとえ犯罪リスクが低い地域であっても、将来に備えて見守り・生活サポートなどが受けられるような仕組みが整っていれば、年齢を重ねても安心して暮らせるでしょう。

    環境を変えて、暮らしがもっと豊かに

    環境を変えることには利便性だけでなく、さまざまなメリットがあります。たとえば、転勤や引っ越しで実家から遠方に暮らしている人が、慣れ親しんだ実家に戻ることで、昔の知人・友人と再び交流しやすくなるでしょう。

    また、以前から憧れていた場所などまったく新しい土地への引っ越しは、毎日に新鮮さをもたらしてくれます。環境が変わることで交流関係が広がり、新しい楽しみや生きがいを見つけるきっかけにもなるかもしれません。

    適度な広さの家で生活ができる

    夫婦2人の生活では、子どもがいるときほど広い家でなくても、十分快適に暮らせます。広い家は掃除や管理に手間もかかるため、今は問題がなくても、将来は足腰や体への負担が大きくなる可能性もあります。

    そのため、夫婦で暮らすためにちょうど良い間取りに見直して、無理のないサイズの家へ早めに住み替えることで、新しい環境にもゆとりを持って慣れることができるでしょう。

    親が亡くなって家を売却する際はどうすればいい?

    続いて、親が亡くなって家を売却する際の流れを解説します。

    相続登記の進め方

    親が亡くなった場合、不動産の相続登記をしなければなりません。相続登記とは、亡くなった人が所有する不動産を新たに相続する人の名義に変更するための手続きのことです。以前は義務ではありませんでしたが、2024年4月から義務化されており、正当な理由なく放置すると罰則の対象になる可能性があります。

    1. 故人の遺言書を確認し、相続内容を確認する

    2. 戸籍謄本を取得し、法律上の相続人を確認する

    3. 相続する不動産や負債の全体像を把握する

    4. 相続するか放棄するか、または限定承認するかを決定する(期限は3カ月)

    5. 遺言書がない場合、相続人間で遺産分割の話し合いを行う

    6. 法務局に相続登記の申請をする

    相続登記を行うには、まず誰が不動産を相続するのかを決める必要があります。遺言書がある場合は基本的にその内容に従って手続きを進めれば問題ありませんが、遺言書がない場合は法定相続人全員で話し合い、相続人を決定する必要があります。

    複数人で共有名義にすることもできますが、管理や売却の際にトラブルにつながるケースも少なくないため、不動産についてはできるだけ1人の相続人にまとめて相続することをおすすめします。

    相続登記に必要な書類

    相続登記の申請に必要な書類は、相続のパターンに応じて異なりますが、主なものは以下のとおりです。中には準備に時間がかかるものもあるため、できるだけ早めに必要書類を確認し、計画的に集めておくことが大切です。

    • 遺産分割協議書および相続人全員の印鑑証明書(または遺言書)
    • 登記申請書(自分で作成するか司法書士に依頼)
    • 故人の戸籍謄本
    • 故人の住民票の除票
    • 相続人全員の戸籍謄本
    • 相続人の住民票
    • 不動産の固定資産評価証明書(または固定資産課税明細書)

    なお、司法書士に手続きを依頼する場合は司法書士への報酬が必要です。不動産の数、相続人の人数などで変動するため、事前に見積もりを依頼することをおすすめします。

    売却の流れ

    続いて、家の売却の流れを簡単に説明します。家の売却は一般的に5~6カ月程度かかるため、スムーズに進めるためにも早めに準備を始めることが大切です。

    1.売却の相談

    2.相場調査と物件の査定

    3.媒介契約を結ぶ

    4.売却活動

    5.売買契約と手続き

    6. 代金受領と引き渡し

    物件の相場調査は必ず査定前にしておきましょう。相場を把握することで、適切な売却価格がわかり、より納得のいく取引が可能になります。査定の依頼は1社だけではなく、一括査定サイトや複数の不動産会社に依頼することで、家の価値をより正確に把握できます。また、不動産の売却相場は、国土交通省の「不動産情報ライブラリ」や、不動産流通機構の「レインズ・マーケット・インフォメーション」を活用して調べることができます。売りたい家と類似した物件を探して参考にしてみてください。

    媒介契約の種類

    家を売る際は媒介契約の種類に注意が必要です。媒介契約には主に3つの種類があり、それぞれの特徴を理解しておくことで、自分に最適な契約方法を選ぶことができます。

     一般媒介契約専任媒介契約専属専任媒介契約
    自己発見取引不可
    契約先の数複数可1社のみ1社のみ
    レインズへの登録任意契約締結の翌日から7営業日以内契約締結後の翌日から5営業日以内
    報告頻度任意2週間に1度以上1週間に1度以上
    契約期間指定なし最長3カ月(依頼者の申出により更新可)最長3カ月(依頼者の申出により更新可)

    <一般媒介契約>

    3つの契約方法の中で唯一、複数の不動産会社に依頼できる契約です。契約期間が設定されていないため、じっくりと時間をかけて売却活動を行いたい場合に適しています。また、どこの不動産会社と契約をしているか通知する明示型、通知しない非明示型があります。

    <専任媒介契約>

    1社のみに仲介を依頼する契約です。契約期間中は他社には依頼できませんが、自分で買い手を見つけることは可能です。自分で買い手を見つけられれば、好条件で売却できる場合もあります。

    <専属専任媒介契約>

    1社のみに仲介を依頼する契約で、専任媒介契約と似ていますが、こちらは自己売却ができません。自己売却ができないことに不安を感じるかもしれませんが、不動産会社が契約期間内に購入者を見つけなければ契約が成立しないので、売却しやすいメリットがあります。また、不動産会社のサポートが手厚くなることもあり、安心して進められる点もメリットです。

    家を売却する際にリフォームは必要?

    家を売却する前にメンテナンスやリフォームを行うことで、見た目がきれいになるだけでなく、設備が新しくなり、買い手にとって魅力的な要素が増えます。また、引っ越し後にすぐ生活を始められる状態を整えることで、早期売却が実現しやすくなるでしょう。

    ただし、リフォームにかかった費用をそのまま売却価格に反映させるのは難しいため、注意が必要です。リフォーム費用が高額になることが多く、売却価格にその分を加算すると相場よりも高くなり、結果的に買い手が付きにくくなる可能性があるためです。

    そのため、リフォーム費用をかけるべきかどうかの判断は慎重に行う必要があります。まずは、清掃やインテリアの配置、照明の工夫など、お金をかけずにできる対策を取ることから始めると良いでしょう。

    家を売却しないほうがよいタイミング

    反対に、家を売却しない方が良いタイミングもあります。適切なタイミングを見極めることができれば、売却価格が大幅に下がるのを防ぐことができます。

    相場価格が上昇している、またはその兆しがある時期

    市場全体の価格が上昇している場合、購入希望者の数が売却されている物件数を上回る可能性があります。このため、購入希望者は限られた物件を巡って競い合うことになり、将来的に相場価格がさらに上昇することも考えられます。

    そのため、相場価格が上昇し始めたばかりのタイミングで売却すると、後に売却された物件と比較して売却価格が低くなる可能性もあります。そのため、売却のタイミングを慎重に見極めることが大切です。もし今後さらに相場が上がると予想される場合も、焦って売却するのは避けたほうが良いでしょう。具体的な売却時期については、不動産会社など専門家の意見を参考にすることをおすすめします。

    税制優遇措置が適用外となる時期

    住宅の売買は大きな金額が動くため、税金面にも十分な注意が必要です。税制優遇措置を受けられるかどうかは、売買のタイミングに大きく影響します。税制優遇を活用できる場合と、そうでない場合では税額に大きな差が生じることがあります。

    そのため、売却を考え始めたら、早い段階で税制に関する情報を確認しておくことをおすすめします。例えば、税制優遇措置の適用期間を知ることで、最適なタイミングを見極めやすくなり、売却を有利に進めることができるでしょう。

    まとめ

    ライフスタイルの変化に合わせて家を買い替えることで、より快適で充実した暮らしを実現できます。しかし、家を売るタイミングを誤ると、思わぬ損失につながる可能性もあります。特に、家の売却には通常半年程度の時間がかかるため、売却を決めたら早めに準備を進めることが大切です。

    家を売りたいと考えたら、まずは信頼できる不動産会社を見つけましょう。不動産会社は、地域の市場動向や相場をよく理解しており、売却価格を適切に設定するためのアドバイスや、買い手に魅力的な物件として見せる方法を提案してくれるはずです。また、購入希望者との交渉も含めて、スムーズに進めるためのサポートをしてくれます。

    売却の際には「どの時期に売るか」のタイミングも重要で、季節的な動きや金利の影響など経済的な要因を考慮して売却を検討することで、より良い価格で売れる可能性が高まります。

    売却理由はライフスタイルの変化や経済的な事情など様々ですが、どの理由においても早めに計画を立てることでスムーズに売却が進みます。信頼できる不動産会社と協力し、計画的に進めることが成功の鍵となります。

    この記事を書いた人

    スムストック編集部
    スムストック編集部
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